…神奈は目を真っ赤にして泣いてた。




 なんで、神奈が泣くの。






 俺は神奈の髪を拭いてたタオルを頭からかぶせた。





「…早く由麻を助けてあげなきゃ、きっと本当にタイミングなくしちゃうよ」

「神奈ちゃん…」





 あぁ、やっぱり神奈はバカだ。






 どうして苦しめてた奴を助けようとするんだろうか。






 未だに泣いてる神奈をこっちに向かせてタオルの中を覗く。





「祐磨君…」

「ん、野原を助けたいんだろ? 俺も手伝うから」

「…なんで、そんなに優しいの」




 それはこっちのセリフだろ?





「…神奈こそ、なんで苦しめた奴助けようとすんの」

「由麻は大事な友達だもん」



 顔を歪ませて赤井目をさらに赤くして半泣きの神奈。





 抱きしめて背中を摩ってやる。