「…紫音……」

「黙っててごめんな? さっきの会話意味わかんなかったろ」

「あぁ」




 拭き終わったタオルを廊下にあった洗濯機に突っこんだ。





 ちょうどその時に扉が開いてボーっとした神奈が出てきた。






「…神奈、風邪ひくだろ。髪拭けよ…」





 神奈が持っていたタオルを奪って神奈の髪をわしゃわしゃと拭く。





「…ねぇ、さっきのホント?」

「え?」

「由麻の…ホントなの?」

「聞いてた?」

「うん…」



 黙って俺に拭かれる神奈。





 だけど、なぜか泣いてて。





「神奈ちゃん!? どうしたの!」

「私…そんなことあったなんて知らなくて…」

「知らなくて当然だよ! 今は完全に野原が悪いんだから」