王様男子


 ちらっと紫音のほうを見るとこうなることを分かっていたのかため息をついている。





 俺、ここまで考えてなかったし。






 すると紫音がこっちに近寄ってきた。






「紫音? どうしたの?」




 俺の前に立った紫音に気付いた野原が声をかけた。




 いかにもこっちの味方でしょ?みたいな目線で。






「…野原」

「どうしたの? 早くこっちに来ないと卵が当たっちゃうわ」

「悪い、野原…。俺今はこっちの味方」





 今…?





 それは良くわかんないけど、野原が一歩引いた。






「うそ…、紫音は私の味方でしょ?」

「今の野原は間違ってる。俺は正しいと思った方に着くだけだから」