「…あれ、神奈ちゃんじゃん」
「うん」
私の代わりに祐磨君が返事をしてくれた。
気を遣ってくれてるのかな。
「神奈、紫音は大丈夫だから。神奈いじめてるやつには加わってない人だから、仲良くなった」
「…そうなの?」
祐磨君を挟んで反対側にいる紫音君に目をやるとにこりと笑って返してくれた。
少しだけ歯茎が見えて可愛らしい笑顔。
「心配しなくていいよ―」
「…ありがとう」
祐磨君以外のクラスメイトとこんな風に話すのは久しぶりで少しだけ恥ずかしかった。
「神奈と紫音、同じバカ同士だし仲良くできるだろ」
「祐磨ー…。俺、バカじゃねぇし…」
「私も違うよ!! 私、天才だから（笑）」
冗談半分のドヤ顔でそういうと引いた顔で見られた。
「…神奈、お前が天才とかマジない」
「ひっど」
「正直者と言ってくれ」
