エレベーターに乗ると当り前のように祐磨君も乗ってくる。
静かな空間に存在感のある祐磨君。
背も高くていつ見てもどんな顔しててもイケメンという言葉以外ない表情。
「…何階?」
「…5階」
「マジ? 俺も」
『5』と書かれたボタンを押した祐磨君の長い指。
「あ、まだ隣の人に挨拶してねー…」
「また行かなきゃね」
「母さんに洋菓子のセット渡されたし…」
面倒くさそうにぶつぶつつぶやいてる祐磨君。
「1人暮らしなの?」
「ん、神奈は?」
「私も1人暮らしだよ」
「大変?」
少し、本当に少しだけ不安そうな顔をした祐磨君。
可愛かった。
「気楽だよ」
「なら、良かった」