怪訝そうにこっちを見るクラスの子たちの視線が痛い。
今日、飛び出したこともあるし、祐磨君と話してるのも不思議みたいで。
横を通って行く女子に何かと呟かれた。
『調子に乗ってんなよ』『マジウザい』『さっそく手、出したのかよ』
聞こえたくないものが次々に聞こえてきて耳を塞ぎたくなる。
祐磨君には聞こえてないのか、何も言わずに私の腕を掴んだまま。
「送るって言っただろ?」
「うん…」
「帰るか」
傘立てから傘を持ってきた祐磨君は私の腕を掴んだまま歩いて行く。
「祐磨、また明日なー」
「おうー」
笑顔で友達に手を上げて階段を下りて行く。
私もあのころに戻りたい。

