王様男子


「…神奈、帰ろ。送る」

「え、いいよ!! てか、もうそんな時間?」

「あぁ…全部授業終わった」



 どんだけ寝てたんだ、私…。





 あいにくの雨で屋上に誰も来なかったから、気付かれなかったんだ。






 でも制服が綺麗になった(笑)





「だから送るし」

「いいって。私、掃除当番もあるし…」

「そんなのすぐ終わるだろ」




 何だか譲ってくれない祐磨君は結局私が掃除を終わるまで待ってた。





 クラスの男の子と仲良下げに話してる。





 掃除終わったけど…楽しそうに話してるし…放っていっていいかな。




 私はそっと祐磨君の横を通り過ぎようとした。





「おい、神奈」

「うぇ!?」

「何…うぇって」

「祐磨君、クラスの子たちと話してていいよ?」