王様男子


「…ここまで…」

「運んだ」



 いま私たちがいるのは屋上に繋がる階段。




 もう少し上がれば屋上の扉がある。





「重かったでしょ…!?」

「…全然。あ、水含んでた分は少しだけ重かった」

「絶対重かったよ…」




 そう嘆く私に向かって少し睨みながら祐磨君は言う。




「…ちゃんと食ってる?」

「え、あ…うん」

「細すぎ。もっと食え」



 正直、前より断然に食欲が落ちた。




 食べようと思っても喉を通らないし、それ以前にお金がない。




 仕送りしてくれてるお金も毎月決まってるし…クラスメイトにかけるお金がずいぶんとある。