「―――んな…神……奈!」
「んぅ~…」
誰かに呼ばれて思い瞼を開ける。
まだ焦点が合ってない目は目の前の人の表情を少しずつ鮮明に移し始めた。
「……あ」
「…あ、じゃねぇ!!」
目の前の祐磨君の髪は何故か濡れてる。
「…なんで濡れてるの?」
「なんでって…バカ?」
「え?」
祐磨君がこっちに手を伸ばしたと思ったら私の背中まである髪を一束掴んで私に見せる。
「めっちゃ濡れてる。よく雨の中で寝られるよな」
「へ?」
たぶん祐磨君のであろうスポーツタオルを頭からかけられていた。
「先生と話してたら神奈のところに行くの遅れた…。雨の中で爆睡してたんだけど」
雨の中爆睡?
私が?
だから濡れてるのか…。

