王様男子



「ゆ、祐磨君!?」

「中途半端な気持ちで神奈に近づくな!!」





 殴られた頬を押さえて、急いで屋上を出て行ってしまった彼。





「んだよ、あいつ…」

「…助けてくれてありがと……、もう大丈夫だから…」

「…ん」




 あー…終わっちゃった。





 笑顔で祐磨君にお礼を言って屋上をあとにしようとした。






 このままここにいると、泣いてしまいそう。






「神奈」

「…な、に」





 振り返れないよ。




 既に泣きそうな私を見せれない。