「なんだよ、面倒くせぇな!」
「は?」
舌打ちをした彼は祐磨君を睨みつける。
「フリーって聞いたからレベルの高い女を俺の彼女にさせてあげたらいいなって思っただけだし」
「…おい」
「俺の女になれるんだぜ? 光栄だろ?」
そう思っただけ、と彼が鼻を鳴らす。
「…ふざけんなよ」
「何もふざけてない。神奈ちゃんも俺の彼女になれば今以上にランクがあがるよ」
…ランク?
そんなの望んでない。
また一つ傷が増えるだけ。
「神奈の気持ちも考えろよ!」
「もう、いいや。面倒くさい」
にこっと笑った彼は手をひらひらと振って屋上を出て行こうとする。
「ふざけんなっつってんだろ!!」
彼の腕を引っ張ってこっちを向かせたと同時に顔に一撃。

