王様男子


「杜山君…も、そんな顔してたんだ」

「祐磨でいいよ」

「…祐磨君?」

「…いいけど」




 そう言って少し笑った彼。





 思ったより笑顔が似合う人だった。





「名前は…神奈って呼ばれてたっけ」

「…うん。木村神奈。よろしくね?」

「覚えた、神奈な。俺の友達1号」




 …あ、今少しだけドキッとした。






「…神奈、フード外してた方がいいじゃん」

「あれは眼潰し防止のためだから」

「…あー……」




 そういうと切なそうな顔で私の頭を撫でる。




 
「いつから?」

「んー…2週間くらい前?」

「結構最近」

「それまでは学級委員長だったんだ」

「そか」



 風がやっぱり少し冷たくて。



 思ったより体を冷やす。