王様男子


「…コーヒーの匂いやばいな」

「…んー」

「パーカー脱げばマシになるんじゃね?」



 私のきていたパーカーの袖を引っ張る彼。




 私は黙って頷く。




「…あ、少し寒いね」

「そう?」

「水もかけられたからかな…」

「こんなとこいたら風邪ひくじゃん」



 フードを取って改めて彼の顔を見る。





 すごく整ってた。




 濃いブラウンの髪にぱっちりした二重。



 綺麗な鼻に薄いピンクの唇。





「そんな顔してたんだ」





 そう言ったのは私じゃなくて、彼。