「…あ、飯食う?」
「食欲ない…」
「薬も飲まないといけねぇし、少しでも食え」
有無を言わさずにコンビニで買ってきた春雨スープを神奈のところへ持っていくと、小さく食べ始める。
本当に食欲がないみたいで1口を食べ終わるのが遅い。
「もう、無理」
「じゃあ頂戴、俺が食う」
神奈から箸を奪って春雨を掴むと、時間が経って冷めていた。
「薬飲んでてー」
コップと薬を渡すと黙って苦そうな顔をしながら薬を流し込む。
昔から薬が苦手で、病院に行きたがらなかった神奈は我慢して飲めるようになったんだ。
そう思うと、何だか俺からもそのうち離れて行かれるんじゃないかとか、少し不安になる。

