王様男子





 …いいことした―♪





 そんな気分で帰りの道を歩くのも悪くない。





 もう一度マンションに入るところで声をかけられる。





「ちょっと待って!」

「ん、どうしたー?」





 急いで追いかけてきたのかほんのり頬が赤くなってる祐磨。






 買い物袋には数十個のカップラーメンが入ってる。





 俺の袋にはショートケーキと即席の春雨スープとか。





「…神奈、俺と楓さんが付き合ってると思ってるんじゃ…」

「俺、わかんねぇから…自分で確かめれば?」

「………」




 黙りこんだ祐磨を置いてエレベーターのボタンを押す。




 チーンという音と共に扉が開いた。





「あ、名前!」

「俺? 俺は爽。爽でいいよ」

「…ハイ」