沈黙を壊したのは元カレのほうで、まさかの神奈ネタ。




「…神奈、熱どうっすか」

「なかなか下がらないんだよね」



 なんだ、神奈が熱あること知ってるんだ。





 …そりゃそうか、昨日別れたんだもんな。






 エレベーターを降りると、スタスタと歩いて行く男に着いて行く。






 無愛想で、何だか自分中心そうな男。





 神奈のことちゃんと好きだったのかも不安。






「…な、君さ…新しい彼女出来た?」

「は? いないですよ、そんなの。あと祐磨でいいです」



 眉間にしわを寄せて答える。





「…じゃあ祐磨、神奈のことどう思ってんの?」

「なんでそんなの聞かれなきゃいけないんすか」




 うわ、思ったより手ごわい。