適当に飯を作って胃に収める。
「神奈の飯も何か買ってこないと…」
そう思って家を出た。
…何にも道知らないんだけど。
エレベーターを待っていると、後ろに気配を感じて振り返るとダルそうに立っている男が1人。
「あ」
「…何スか」
たぶん向こうも俺が何者か知ってる。
…神奈の元カレ。
「…あ、そうだ! この辺りで一番近いコンビニってどこー?」
「俺も行くんで良かったら一緒にどーぞ」
「マジ? 助かる―」
横に立った男は、意外にも身長が高い。
俺よりは低いけど。
エレベーターに乗るとさらに静まり返る。

