「…泣いてんの?」
「泣いてない」
「泣いてるだろ…?」
「…な、いてないもん……」
ゆっくりと下に下ろされた私は爽に抱きしめられる。
温かくて、安心して、また泣ける。
こんなに泣き虫じゃなかったのに。
猫背になった爽は私の背中をポンポンと叩いてくれる。
「…あ、今…顔上げちゃダメだぞ」
「え? なんで?」
そう言われて反射的に顔を上げた私に苦笑いの爽。
「上げんなって」
「え……? あ…」
少し向こうにいる人と目が合う。
「…祐磨君」
「知り合い? 神奈と同じ学校の奴だから上げない方がいいかなって思ったんだけど…」
「…昨日別れた人」
私がそう言うと、目を見開いて祐磨君のほうを見る爽。

