王様男子



 冗談でそんなことを言う。




「…絶対嫌だ」

「んなきっぱり断んなよ」

「爽、彼女いないの?」




 爽。





 久しぶり呼んだ名前は懐かしさを感じる。






 昔から結構カップルに間違えられる。





「いねーよ。最近別れた」

「本当? 私も昨日別れた―」

「昨日!? 結構びっくり」




 笑った爽にムカついた私は首に回してた手を爽の目に置いた。



「うわ、見えないって!!」

「うっさい」

「こける!」

「…私、本気で好きだったのに!!!」






 何だかおさまったと思っていた悲しみが復活してくる。




「神奈…」




 歩くのをやめた爽は、私の手をゆっくりと解く。