「あ…」




 うっすらと目を開けて、こっちを見てるのは神奈。






 俺は咄嗟に楓さんから離れようとしたけど、思ったより力が強くて離れられない。






 あんまり無理に引き剥がすのはちょっとな…。






「楓さんも…」





 …え?





 楓さんのこと…神奈知ってんの?





 ちらっと楓さんを見ると俺の胸に顔を埋めて、表情が見えない。





「…なんで私…寝てるの…?」

「なんでって、ベランダから倒れてるの見えて…」

「そっか…もう、大丈夫。ありがとうね、楓さんとの時間邪魔しちゃ悪いし…」






 邪魔…?




 完全に目が座って大丈夫じゃない状態の神奈に言われても…。