ちょうど良いタイミングで神奈の頬に触れかけてる手を掴んだ。
「こ、これは…」
「何?」
「頬が赤くなってたから…冷やした方がいいかなって…」
確実に異様な焦り方をしてる楓さんは、嘘をついているようにしか見えない。
「…じゃあさ、なんでその頬赤くなってんの?」
「倒れた時に打ったんじゃない?」
「それなら、青くなるだろ。完全に手形だし」
掴んでいた楓さんの手を赤く腫れた手形の部分に持っていくとピッタリ当てはまる。
「これでも違うって言うわけ?」
「…」
「なんでこんなことするんだよ」
「…だって」
すっと神奈の上から退いた楓さんは俺のほうをじっと見る。
何…。
神奈は熱があるからか、息が荒く苦しそう。

