「神奈、余計なことはいいよ。ここ、今日から祐磨君の席」
「………うん」
私が頷くと由麻は嬉しそうに杜山君と話そうとする。
服が冷たい。
高2の秋。
こんな風に過ごすなんて思ってもみなかった。
私は空いてる席に移動した。
「あ、神奈―。購買で野菜ジュース買ってきて」
「俺もコーヒー」
「私フルーツジュース」
転校生が来たばかりなんだから少しくらい抑える気はとか思ったけど、全くないみたい。
授業が始まるまでに急いで購買に行き、頼まれたものを買う。
お金は全部私持ち。
毎日毎日バイト詰め。
1人暮らしをしてる私に仕送りしてくれる両親にも悪い。