“隣の不可思議くん”



神大寺家に一人で出向くことになろうとは以前までの俺だったら思わなかっただろう。門の前で静かにたたずんで神大寺の家を眺める。



「うわぁー・・一人でくると重苦しさ倍増・・。」


大樹兄さんがいたら怒られそうだと思いながら敷居を跨ぐ。いつもなら兄さんが先頭で入って行く玄関の戸も今日は一人で開く。深呼吸をしてから戸に手をかけ中へとはいる。



「すみません、馨です・・。」


挨拶もそうそうに主の部屋へと通される。部屋の中はこの前とはうってかわってそこら中いろいろな傷だったり破いたあとだったりで部屋中荒れ放題だった。しばらく黙って様子を見ているとようやく俺が来たのがわかったのか縋る様に近づいてきた。



「馨・・馨。すごく頭が痛い・・。」


「うん、少し休んだ方がいいよ・・横になる?」


「ならない。そうだっ・・この前馨があいつと一緒に居たのを見たって人がいたんだよ・・。嘘だよね?」