「甲斐は、お前が心配なんだよ。あいつ、いつかお前が壊れちゃうんじゃないかって不安で仕方ないんだよ‥。」
大樹は自分にも言い聞かせるように拳を握りしめながら馨を見つめる。
「俺も甲斐と同じだ。お前はもっと頼っていいんじゃないか?俺達2人はお前の影に隠れすぎている・・。」
「何も、兄さん達が悔やむことはないよ・・?ありがとう、心配してくれて。いってきます。」
笑って家を出て行く弟の姿は自分の不甲斐なさを象徴させるものであった。
「どうしたら・・あいつを救えるんだ。」
言葉は静寂の中へと吸い込まれていった。
