俺がそう言うとラルは

また少し驚いた様子を見せる。


「サクト先輩まで…。

あたしに実践出来るとでも?」

いやいや。

出来るだろ。確実に。


何、出来ない的な発言してんだコイツ。


「ラルー!見てぇよー!」

レムは子供のように

ラルに見本をねだる。


まぁ、俺も見たいとは思うが、

そこまではしたくないな…。


「だから、手首を」


「ヘイ、パスッ!!」


「うわっ。」


《バシッ》

ラルがまた理屈を話す前に、

レムが持っていたボールを

ラルに向かって投げた。


この至近距離でキャッチって…

やっぱ反射神経いいな…。


「…………。」

ラルは、ボールを持ったまま停止。