未来へのボール*SUMMER*


「…ん。」

離れたサクト先輩の手を見ると、

ホントだ。濡れてる。


あたし…無意識に泣いてたの?


「…桜李が慌てて体育館に

戻ってきてな。

ラルが、ラルがって言ったんだ。」

ミナが?


あ、そうだ。ミナと話してる途中に

倒れたんだった、あたし。


「過呼吸だってよ。

お前、過呼吸持ちなのか?」


「…え、いえ。別に…。」

過呼吸だったのか。

通りで呼吸が苦しかったワケだ。


「………何かあったのか?」

"何か"って、何を差しているの?


話の内容?過去?

過呼吸の原因?


頭が充分に回らないから、

どのことなのか予想も出来ない。


「………直球に言っていいか?」


「………どうぞ。」

真剣な眼差しであたしを見る。


さっきのミナと同じ、

真っ直ぐな目で見つめてくる。


「桜李と、何の話してた?」

あぁ、ソレを聞きたかったのか。