「……っけんな」

「は?」

「ふざけんなぁああッ!!」


気が付いたらそう叫んでた。

金切り声ってヤツかも。

まさか、あたしにこんな大声が出せるなんて思いもしなかった。

ありがとう、ハルセ。

あんたはあたしに最悪の形でどうでもいいことを教えてくれたよ。

ブチ切れるって形でね。


「ウザイってなに!?今まで我慢してたあたしの身にもなれ!いっつも皿洗いに料理に洗濯物に掃除にってやってんのに!どっかに連れてってくれるとか全然ないし!すっごい時間かけてここまで来てるのに家事しかしないで帰るってどうなの!?あたしはハルセのお母さんじゃないんだっつーのッ!!」

「ちょ、セナノ、落ち着け」

「しかも今日は迎えにも来てくんないし、玄関入っても荷物も持ってくれないし!買い物袋も持ってたのにわかんなかったわけ!?あんたの目は節穴か!?あたしの顔も映ってない!?」

「おい、セナノっ」

「もう限界ッ!今までずっと我慢してたんだから今日くらい言わせろッ!!」


あたしはここぞとばかりに、金切り声を上げた。




「いっぺん死にやがれこのダメ人間ッ!!」