なんであたしのことを相談しなければならなかったのかってこと。
何かしちゃってたのか、あたし。
じゃあ謝らなきゃいけないのは、やっぱりあたしの方?
その考えに至るより先に、
「ご、ごめん……」
あたしはそう謝っていた。
するとハルセは少し焦ったように首を横に振って、否定を示した。
「や、違くてっ。セナノが悪いわけじゃないから」
「え、じゃあ……」
「だから、もうなんかいろいろと俺のせい」
更に理解が追い付かなくなる。
ハルセのせい?
トーヤのせいじゃなくて、ハルセのせい?
なに?
どういう……?
「あーもうなんていうかさ。ハルセ、お前は説明が下手すぎる」
話が進まないあたしとハルセにしびれを切らしたのか、ずっと黙っていたトーヤが口を挟んだ。
ハルセが何かを言い返そうとするのを遮って、トーヤは淡々と。
「ちょっと前から、セナノちゃんのこと聞いてたんだよね。相談って形でさ」
「あの、なんの相談で……?」
「“最近、全然笑ってくれない”ってさ」
「ばっ、おまっ……!」
さらっと相談事をバラしたトーヤに、ハルセが焦りの声を上げる。
でもあたしは、その相談事が聞きたかった。
すごく聞きたかった。


