Never Magic

「どうしたのさ」

僕は聞く。
すると朔は、僕に小さなガラスの破片を見せた。

「食べてたらガリって……わぁっ!やっぱり呪いだよぉ」

泣きじゃくる朔。
確かにこれは偶然だと思えない。だけど、人間界にこれ程までの魔力があるとは思えない。
もしかすると、何処かの魔界人がイタズラで魔法をかけたか…。
……イタズラにしてもやり過ぎじゃないだろうか。
死にかけているし。
僕は近くにあったティッシュを朔に一枚渡す。

「朔、口…ティッシュで拭きな」

「うん……」

気弱な返事をし、朔は口に付いた血を拭き取った。
歯が欠けてなくて良かった。

「…朔、病院行く?」

「うん…行く」

「じゃぁ…」

「ぁ、ゆっきー…」

「うん?」

「僕、本当に死んじゃったら、その時は…」

「大丈夫だよ僕も解決方法を見つけるから」

「!!…ゆっきぃ…」

また大げさに…いや、本当に死に至ったら冗談じゃない。
そうなる前に解決しなければいけない。
原因は多分神社の時と、あの呪い人形。
はっきり言って呪い人形は関係無し。
問題はお寺の方。
病院言った後、お寺に行き、お坊さんに謝らなきゃ。
そして、呪いを消してもらわなきゃ。