Never Magic

しかし、僕の考えを訂正するように、事件は起こった。
歩いて店へ行く途中、車がいきなり僕らに突撃してきた。
僕は慌てながらも、魔法で移動した。
他人から見てあまりかわらない程度の移動。
あまりにも変わり過ぎていたら怪しまれるので。
なんとか危機一髪。
しかし、事故がたまたま僕らを巻き込んだなら、まぁ納得いくだろう。
だが、僕らが巻き込まれた事件はこれだけでは済まなかった。
この事件後、歩いていると、いきなり地震がきて、近くにあった自動販売機が朔に倒れてきた。
僕はまたしてもテレポートで移動。
あまりにも今日の出来事からして偶然とは思えなくなった。
朔はすっかり怖がって、家に帰り、ベットの上でご飯を食べている。

「…食べにくくない?」

「平気さ…」

「…布団汚さないでね」

「ゆっきーは僕の事より布団を心配するの」

「別にそう言うわけじゃないけどさぁ…」

怒った朔は布団を頭から被りだした。
絶対どっかしら汚れているのは間違いない。
どうしたものか。

「痛っ!」

朔が布団の中で小さく呻く。

「朔?」

「ゆぅきぃ〜(>_<。)」

朔は布団から出てきた。出てきたと思ったら、口から血が少し出ていた。