父さんは眉毛をピクピクさせている。
明らかに怒っているのはわかるんだが…。

「ったく、何であいつらは勝手なんだぁ?…っだあぁぁぁ」

紙切れをさらに引きちぎる父さん。同時に頭から何かが落ちているような気が。
父さんは見た目が若いが、実際の年齢が47である。
皆からは26歳みたーいって言われている。
何故25じゃないのか不思議に思う。
まぁ、女性からして見ればその年齢なのだろう。

「倖」

「何…」

「お前は偉い子だっ。そんな偉い子にお願いがある」

「?」

「このバカ息子達を人間の世界から連れ戻してきてほしい」

「ぇ…」

「私がこの国からいなくなるわけにはいかんのだよ。だから、倖…頼む〜」

僕は父さんに泣きつかれた。
これが47とは思えない。
涙で自分の服が汚れている。
…でも、自分も人間界へ行けるのだから行っても良いんじゃないかな…。

「父さん、僕行くよ」

「おぉ、流石我が息子あのバカ達とは違うな〜」

父さんは椅子に座ると、新聞を片手に、机を自分の所へと引き出した。

僕は人間の世界へと行く用意をする為、自分の部屋へと行った。