奏斗とともに1度家に戻った。




今日、奏斗は寮へと帰る。




またいつもの日常が始まりだす。




「よいしょっ。」




重いエナメルを持ち上げる。




途中の駅までは一緒。




ウチは水神サンに会いに行く。




駅までの少しの距離。




会話のないその時間は長くて。




ただ2人、俯いて歩いた。




さすがににぎやかな駅で
のぼりの電車に乗り込んだ。




「稀緒・・・?」




「・・なぁに?」




ウチが見上げた時の奏斗の顔は
きっときっとウチよりも
不安な顔だった。




心臓が軽く跳ねた。




時が止まった気がした。