「俺のわがまま……聞いてもらえる?」
「はい…」

先輩が優しく私の頬に触れたまま
そう呟く

「………俺の質問に、何でも答えてくれる?」
「……え?」
「その代わり、俺も答える。何でも」

私はそこで分かった。
先輩は、何でもわかってる

私が不安なことも

だけど
言えなくなってることも。

先輩のわがままじゃない。
私のわがままだ。

「はい………」

私は、ゆっくりうなずく。

先輩は少し安心したように
私に向かって微笑んだ…