君がいた夏



『菜穂ちゃんから』

お兄ちゃんは笑ってそう、答えた

「あぁ」
『まぁ、兄貴としてはしんぱいだけど、今度お礼しとくな。あと、自習して帰るから遅くなるかもしれない。悪いな』
「ううん、大丈夫。頑張ってね」

そう言って私は電話をきる。

「……兄貴か?」
「うん、遅くなるって。あと、ありがとうって」
「俺にか?……別に良いのに」

私は歩の隣に腰かける。
歩は私の出したお茶をすすってる

「歩は、帰らなくて良いの?」
「ん?あぁ…俺の家も両親ほとんどいねぇから…明美といた方が楽しい」

歩は、いままで見たことのない顔で私を見つめてる

「私も……歩と一緒にいるの…楽しいよ」

私がそう言うと歩の手が、私の髪を触る。
私は思いきって聞くことにした

「あの、歩………」
「ん?」
「さっき、歩…瑛斗に聞かれたとき、どうして否定しなかったの?」
「……………」

沈黙が流れた。
視線は交わったまま

歩が口を開いた。

「…お姉ちゃん?」
「っ!」

そこで瑛斗が起きてくる