千尋「ごめんなさい…」
夏海「ったく。次から気をつけてよね」
千尋「はーい」
私はそう言うと楽屋に入る。
夏海も着いてくる。
夏海は私に続いて楽屋に入るとドアを閉める。
夏海「予定を説明するわ。今日は相手役の連也くんとの出会いの1カット、連也くんと一緒に帰るときの1カットを録るそうよ」
千尋「りょーかい」
夏海「アンタの出番は後15分後くらいだから、それまで台本でも読んでなさい」
夏海が私の前に台本を置く。
私は台本を読み始める。
私の演じる宝生真子(ホウショウマコ)と連也くんの演じる白井和樹(シライ カズキ)の出会いの場面だ。
和樹はチャラい男で女遊びが趣味。真子は純粋で真面目。
そんな恋愛を知らない二人の恋愛ストーリーだ。


