1人じゃないよ


「ねぇねぇ野々宮さんっ!!!!」

「っうぁ!!」

急に離しかけられて変な声を出してしまった・・・。

「な・・・なんですか?」

ちょっと警戒気味で答える私。

「安心して・・・俺はいじめたりしないよ?」

そう言って頭をなでてくれた。

あったかくて大きな手。

「ちょっといいかな・・・。」

「はい・・・」

少し迷ったけど、あんまり悪い人じゃなさそうだし・・・。



さっきからずっと歩いてる・・・。

なぜだか・・・クラスの男子が3人ほどいるし

一体どこへいくんだろ・・・

そして・・・空き教室の前で立ち止まり中へ入るように言われ

渋々入った。

「あのさ・・・」

「・・・はい?」

「大丈夫・・・?」
私の腕をとり、あちこちに出来た、アザや傷をなでる・・・。

「いやっ!!」

とっさに振り払ってしまった・・・。

「あ・・・ごめんなさ・・・い」

「ううん、俺のほうこそゴメンね・・・なんかあったらさ、相談のるから・・・」

「俺たちも!!!だから頼ってくれよ野々宮!!!」

よし・・・これで、いじめから少しは救ってあげられた気がした・・・

だけど野々宮さんは・・・・

「・・・・け・・・な」

「・・・え?」

「ふざけんな!!!どうせ裏切るくせに!!!あんたたちも!!!ずっと見て見ぬふりしてきたくせに!!!今さらいいこぶんのやめてよ!!!言っとくけどあんた達なんかに頼らないから!!!絶対に!!!」

そういうと、野々宮さんは出て行ってしまった・・・。

「んだよ、ひとがせっかく親切にしてやったのに・・・」
チハヤたちが愚痴を言う。