1人じゃないよ

~祐太side~

この学校はすごくいい学校だと思う。

笑顔がありふれていて、なんか希望に満ちた学校。

クラスの人たちもみんないい人で・・・

でも・・・後ろのほうの席にポツンと1人で座っている少女。

人付き合いが苦手なのだろうか・・・?

男子の中で既に3人と仲良くなった。河上将太、市川チハヤ、仁田海斗

そのうちの1人市川チハヤに

「なぁ、あの子さ、なんつーか大人しいな・・・」

「なに!?お前・・・野々宮のこと気になんの?」

「あ・・・いや、1人で座ってるからさ・・・目立つじゃん?」

「あんま、気にしないほうがいいぜ・・・。あの、いじめられてんだよ」

「は!?何で!?意味わかんねぇ!!!いつからだよ!!!!」

「ちょ・・・落ち着けって・・・今年の5月27日・・・」

今は9月。

2学期だ・・・。

「なんで!?なんで・・・助けねぇの?」

「それは・・・」

なんだよ!ひとっつもいいクラスでも

いい学校でもねぇじゃん!!!

「岩瀬く~ん!!アタシ大澤玲奈って言うのよろしくね~」

うぜぇ・・・慣れなれしくしすぎなんだよ・・・。

しかも、香水くさい・・・。

ようやくソイツがはなれると将太が

「今の奴だよ・・・野々宮いじめてる奴。」

「気持ち悪い女だな・・・。俺、野々宮の見方するんで、いじめ終わらせる」

「じゃぁ、俺も祐太についてく!」

海斗・・・。

「俺も~」

チハヤ・・・。

「よしっ!野々宮を救ってあげよう!」

将太・・・

「みんなサンキュッ!!あとで何かおごってあげる」

「よっしゃ!!!」

この時は・・・いじめなんて簡単に終わらせられる

簡単に考えていた。

でも・・・現実ってのは、思い通りには動いてくれなかった。