待ち合わせ場所につくと、変装した円がいた。

今日は黒髪のウイッグとピンク色のキャップにサングラスをかけていた。

格好もTシャツにジーンズと、とてもカジュアルだ。

「あ、良ちゃん」

円が僕の姿に気づくと駆け寄ってきた。

「ちょっと…もしかして、走ってきたの?」

気づいたみたいだ。

「まあ、何となく?」

息を切らしながらだったけど、僕は笑って見せた。

「別に走らなくても中華料理は逃げないわよ」

円がクスッと笑う。