恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―

驚いた顔で僕を見ている彼女を無視するように、店を出た。

やり直したくなんかなかった。

1度別れた女と、また関係を持ちたくなかった。

彼女が悪いから?

…それは、どうだろうな。

家に帰ろうと歩いていた時、ポケットの中の携帯電話が震えた。

ディスプレイと見ると、円からだった。

時間は18時を少し回ったところ。

珍しい。

そう思いながら電話に出る。

「もしもし?」

「あ、良ちゃん?」