恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―

前までの僕だったら、どうしてた?

またヨリを戻そうとうなずいていた?

ひどい別れ方をしたとしても、僕はうなずいていた?

また、やり直そうって。

「……ごめん」

今じゃ、考えられなかった。

「お前とは、やり直せない」

「良、介…?」

相当なまでに、僕の反応は予想外だったのだろう。

彼女が目を見開いて驚いている。

「ごめんな」

僕はそれだけ言うと、腰をあげた。