恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―

久しぶりに訪ねると、彼女は1番のお気に入りだと言っていたカルボナーラを食べていた。

「久しぶりだな」

僕は椅子に腰を下ろした。

「何か頼む」

「いや、いい」

メニューを渡そうとした彼女に、首を横に振って断った。

「もう夕飯済ませたの?」

そんなんじゃない。

「一体、どうしたんだ?

急に訪ねてきたから」

「ああ…」

僕が聞くと、彼女は少し目を伏せた。