恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―

女は愛情深い生き物だから、相手に身も心も奪われたら2度と戻らないって。

「円…」

何故か出てきたのは、円の名前だった。

どうしてだかわからない。

彼女に助けてもらいたかったのだろうか。

それでも、彼女の名前を出さずにはいられなかった。


女子社員たちに勧められるように、僕は定時で帰らされた。

久しぶりに定時で帰れるのは、何年ぶりだろうか?

元カノに仕事が終わったことを連絡する。

駅前のパスタ店で待っていると言った。

そこは、僕と彼女がよく食べに行った店だった。