宇宙船から降りると、そこは緑の囲まれた土地だ。

周囲には木々が立ち並んでいるが、地球にある植物とは違う。

木々の向こう、流れる川のような黒い物を挟んだ先に街並みが見える。

街並みは絵に描いたような未来が広がっていた。

多くの高層ビルのような物が立ち並び、その間を縫うように空を飛ぶ車が行きかう。

宙に浮かぶ発光している線は車道の役目をしている。

「これが、渚の世界か」

街は光に包まれている。

しかし、上空は暗闇に包まれており、光を発しているのは街だけだ。

「アルカード街か」

アルカード街がどこなのかは分からない。

街というのだから、向こう側の都市の中に存在する一画なのかもしれない。

しかし、一つだけ問題点がある。

共通の言語ではないという事だ。

渚が地球に来た時、言語が共通でなかったために勉強をしたという話を聞いた。

ボディランゲージを試みるしかないのか。

「どうする」

空気爆弾で向こう側へ渡ることが出来るが、どういう世界か分からない以上は安易な事はできない。

「→↑◎□×!」

背後から声が聞こえたので、振り返ろうとした。

「○▼⇒!」

振り返るなといわんばかりの怒声だ。

言語が違うようで、何を言ってるのかわからない。