紫陽花と桃




そんな笑顔、私には一度も見せてくれないくせに。

・・・・バカ。



大牙はあまり自分のことを話したがらない。

男の子は基本、そういうものなのかもしれないけど、限度ってものがある。

部活が忙しい大牙と唯一、一緒に帰れる"火曜日"だって

いつも私が勝手にベラベラ話して終わり。

手も繋がなければ、キスもしない。


席替えの話だって、大牙のクラスの子たちから聞いた。

「大牙くん、居眠りしすぎて一番前の席なんだよ。知ってた~?」

大牙がそう言うこと言わないって知ってるのに、嫌味っぽく聞いてくる。


惨めで悲しくて辛かった・・・。



「・・大牙、遠いよ。」


切なくなって彼の後ろ姿を見ながら、そう呟いた。