*July.xx

世間で言う所の夏休みが始まる月。

バイトしているあたしに夏休みなんて
あるわけない。

したがって、あたしはいつもと
変わらない日々を送っていた。


洸くんは、専門学生だから
夏休みが存在する。


つまり、洸くんの我儘ワールドが
全開になる月でもある。



『あのさ、俺夏休みなんだよね。』


電話で唐突に喋り出す。

嫌な予感しかしないんだけど。



『どうせ、月曜とかバイトはいって
ないんでしょ?会いに来てよ。』