愛してるなんて言わないで



駅まで10分もかからない。

その道を歩いたら本当にお別れ。


「…うん。行こう。」


ホテルのドアを開ける。

来た時よりも空気が重い。


いつもなら…帰りたくないってあたしが
駄々を捏ねるけど。

今日は早く帰りたい。


泣きたい。


『なぁ…そんなに離れんでもいいやん?』


困ったように笑う洸くん。


気づけば洸くんとの間に2人分のスペースが出来ていた。


『お前は彼女だろ?なら…さ。
もう少し …近くによって?』


あたしが言ったのに、無意識のうちに
避けてたんだ。



「あ…ごめん。あっ‼︎あのさ?
手…繋いで?」


喧嘩してても、仲良しでも。

いつも手だけは繋いでた。

だから帰るまで夢を見させて。