泣いてちゃダメ。
自分でも分かってたことに、どうしてあたしが傷つくの?
大地はあたしのこと好きじゃないって分かってても、あたしは好きでいたかった。
だから、大地を好きでいたんでしょ?
…だけど。
だけど、分かってても辛い。
痛いの、心が。
玲皇君の言葉はあたしに十分過ぎるくらいのダメージを与えた。
「ひかり!ボール掃除サンキュっ」
涙を拭いて、グランドに出てみると大地がいつもの爽やかな笑顔で迎えてくれた。
「うん!だってマネージャーの仕事だもんっ」
精一杯の笑顔で振舞うあたし。
笑えてる?…あたし…上手く笑えてる…?
「…あれ?首…どうかしたのか?」
「…!あ、…これ…は…」
やっぱり見えるよね。このアザ。
でも大地にどう説明したらいいのか、全然検討もつかない。
何より、自分の口で玲皇君につけられた。玲皇君の物なの…なんて、死んでもいいたくないから。
「…ひかり?」
「こ、これは…」
上手い言い訳も見つからず、あたしが困惑してると。
ポンっと肩に何かが乗った。
「大地先輩。これ俺が付けたんです、俺の物だから」
「ちょ、玲皇君!!」
慌てて遮っても、もう遅かった。
「…え?…物って…」
「そうですよ。俺ら付き合ってるんです」
「…マジ…で?」
玲皇君の突然の言葉に、大地は言葉を失ってる。
その意味は…?
…なんて。あるわけないよね。
大地はあたしを好きじゃないんだもん。
そんなあたしの気持ちを見透かしてか、玲皇君はあたしに向かって同意を求めるかのように、"なっ?"といって笑いかけてきた。

