玲皇君があたしの指導係としてきてくれたのは良いんだけど…さっきから座ったままで何も言ってくれない。
…嬉しいような、気まずいような…。
「…玲皇君、試合でないの?」
「何で?」
「だって、エースなんでしょ?」
「まぁね」
まぁねって!
よっぽど自分に自信あるんだろうなぁ…。
あたしは部屋を掃除しながら、玲皇君をチラっと見る。すると、目が合って玲皇君にニコっと微笑まれる。
かっこいい。かっこいいんだけど、むかつく!
「一年からそんな簡単に試合に出れるもんじゃないから」
と、外で始まった試合を眺めながら玲皇君はそう言った。
やっぱり玲皇君もサッカーが好きなのかな?
だって、サッカーを見つめる視線はすごく優しい。
「大地には絶対勝てないんだから」
「…ふーん…?大地先輩に?」
玲皇君の笑みが含まれた言葉を聞いてあたしはハッと気がつく。
しまった!
玲皇君の前で大地の話題だすんじゃなかった…!
「…ひかりさぁ。大地先輩のこと好きだろ?」
「…ちょっと!先輩をつけてよ!」
「話、そらすなよ」
そう言って、玲皇君は椅子から立ち上がる。
「す、好きじゃないわよ!」
「…さっきの自己紹介の時もそうだったけど…、大地先輩と話すとき、ひかり顔デレデレしてんぞ?」
「!!」
やっばー…。
完璧バレてる。…だからマネージャーなんかするの嫌だったんだよぅ…。
「ほんと顔に良く出て、分かりやすい」
そして、玲皇君にクイっと顎を持ち上げられる。
「ちょ、何するっ…!」
抵抗する間もなく、玲皇君はあたしに近づく。
「良いの?外では大地先輩がサッカー頑張ってるのに、中でマネージャーがこんなことして…」
そう言って、玲皇君は無理矢理あたしの唇を激しく奪った。

