花恋-はなこい-

この叫びを聞いても

蒼と翠は全く

伝わっていないようだった。


むしろあざ笑って

いるかのような表情をしている。


「“学校公認のカップル”?

 そんなの俺や翠には関係ない。

 ただ、好きな人を

 手に入れたいってだけ。

 自分の気持ちに

 素直に行動するだけ。

 何が悪い?」


蒼はそう淡々と言葉にする。


「蒼は真由ちゃん、だっけ?

 を、私は香坂君を、

 それぞれ振り向かせるってだけよ」


翠も全く悪びれる様子もなく

口にした。


真由はだんだんと怖くなり、

圭輔をただただ見つめる。


圭輔は「大丈夫」と

真由に優しい目で伝える。


翠はふと圭輔の右手を見ると、

「絶対、その指輪、

 取ってみせるから」

と言い、

不敵な笑みを浮かべた。