花恋-はなこい-

圭輔は体に絡まっている

翠の腕を引き剥がし、

蒼と翠を睨みつけながら

言葉を続けた。


「俺は、ここにいる

 真由と付き合ってるんだ。

 これ以上、俺たちに近付くな」


圭輔の力強い言葉に

真由の胸がじんわり温かくなる。


「けいくん……、ありがとう」


真由の口から

自然に言葉が漏れる。


それに圭輔は微笑みながら

こくんと小さく頷く。


するとさっきまで

あんなに無邪気だった

翠の口から、

想像も出来ないような

高らかな笑い声が聞こえてきた。


「そんなの、

 変えちゃえばいいじゃない」


翠の言葉に蒼が深く頷く。


「俺も、さっき

 真由ちゃんに同じこと言った」


蒼と翠はお互いに

アイコンタクトを送りあってから、

「気持ちなんて、

 簡単に変えられる」

と声を揃えて言った。